* フロントエンドコードを見てみよう(2) -(by [[K]], 2014.07.23) ** (0) -osecpu121dより、osectolsにdumpfrというツールが追加されました。それの紹介みたいなものです。 -ちなみに、ここで示されているバイトコードはosecpu122dのもので、将来のバージョンでは改善されている可能性があります。 ** (1) -app0100_.oseを最初の例にしようと思います。 -これはカラーグラデーションのアプリで、昨年のrev1のころはこれが17バイトで書けることですごいと言われましたが、現在のrev2では&color(#f00){''13バイト''};になっています。 --なお、ウィンドウサイズの設定を略した「本気バージョン」もあり、それだとなんと&color(#f00){''9バイト''};になっています(app0118)。 --なお、サイズのために可読性を犠牲にした「本気バージョン」もあり、それだとなんと&color(#f00){''8バイト''};になっています(osecpu124d以降のapp0118)。 ~ http://osecpu.osask.jp/download/app0006a.png -ソースコードは以下の通りです。 #include "osecpu_ask.h" Int32s c:R00, x:R01, y:R02; api_openWin(256, 256); // c = 0; for (x = 0; x != 256; x++) { for (y = 0; y != 256; y++) { api_drawPoint(MODE_COL24, c, x, y); c += 0x100; } } --少し補足すると、c = 0;がコメントアウトされているのは、OSECPU-VMでは整数レジスタの初期値が0であることが保障されているので、これを省略してバイナリサイズを節約しているのです。 -このアプリのフロントエンドコードをバイナリエディタ等で確認すると次のようになっています。 +0 +1 +2 +3 +4 +5 +6 +7 +8 +9 +a +b +c 0000: 05 e2 59 09 b0 69 b1 69 b2 45 23 00 9b --この通り間違いなく13バイトなのですが、しかしこれでは少し読みにくいです。 -ということで、これを命令ごとに切って表示させてみます。 prompt>osectols tool:dumpfr in:app0100_.ose 0000: 05e2 OSECPU-VMアプリの2バイトのシグネチャ 0004: 5_90_9b_0 api_openWin(256, 256); 000a: 6_9b_1 for (R01 = 0; R01 != 256; R01++) { ... 000e: 6_9b_2 for (R02 = 0; R02 != 256; R02++) { ... 0012: 4_5_2_3 api_drawPoint(MODE_COL24, R00, R01, R02); 0016: 0_0_9b R00 += 0x100; --上記のダンプリストと比べると、命令の区切りやパラメータが分かりやすくなっています。 --4回ほど出てくる9bが定数の256を意味しています。rev1→rev2では定数256を表現するために必要なバイトコードが1.5バイトから1.0バイトに変更されたので、グラデーションアプリはそれだけで2バイトも改善されました(4バイトの改善のうちの半分はこの効果によるものです)。 --命令番号6がfor文を表していることも観察できると思います。 ** (2) -app0115_.oseを次の例にしようと思います。これは2014年度のキャンプ生がOSECPU-VMの勉強用に作ったものです。 -バイナリサイズはわずか&color(#f00){''19バイト''};ですが、とてもきれいな模様が出ます。 ~ http://osecpu.osask.jp/download/app0115.png -ソースコードは以下の通りです。 #include "osecpu_ask.h" Int32s x:R01, y:R02, c:R00; api_openWin(256, 256); for (y = 0; y != 256; y++) { for (x = 0; x != 256; x++) { c = x ^ y; c *= 0x10101; api_drawPoint(MODE_COL24, c, x, y); } } -フロントエンドバイトコードは次のようになります。 prompt>osectols tool:dumpfr in:app0115_.ose 0000: 05e2 0004: 5_90_9b_0 api_openWin(256, 256); 000a: 6_9b_2 for (R02 = 0; R02 != 256; R02++) { ... 000e: 6_9b_1 for (R01 = 0; R01 != 256; R01++) { ... 0012: 4_91_1_0_0 R00 = R01 ^ R02; 0018: 96_0_7510101 R00 *= 0x10101; 0022: 4_5_2_3 api_drawPoint(MODE_COL24, R00, R01, R02); --ここで演算命令を少し詳しく見てみようと思います。 --OSECPU-VMでは、R00 = R01 ^ R02;が3バイトで記述できています。これはすごいのでしょうか。すごくないのでしょうか。 --同じことをx86でやるとなると、EAX = ECX; EAX ^= EDX;になると思います。これは89_c8 31_d0とかになって、4バイトを要します。 --同様にR00 *= 0x10101;についても比較してみます。OSECPU-VMは5バイトです。それに対してx86では69_c0_00010101とかになって、6バイトを要します。 ** (3) -app0103_.oseを次の例にしようと思います。毎度おなじみのbballアプリです。 -バイナリサイズはわずか&color(#f00){''63バイト''};ですが、とてもきれいな模様が出ます。 ~ http://osecpu.osask.jp/download/bball.png -ちなみにバイナリサイズの比較です。 「はりぼてOS」 350バイト(改良の余地あり、参考記録) 第一世代OSASK 186バイト TownsOS 185バイト MSX-DOS/MSX2 140バイト Human68k+IOCS 116バイト MS-DOS/NEC PC-9801 114バイト (OSECPU-VM以外での世界最小記録) OSECPU-VM (rev1) 71バイト OSECPU-VM (rev2) 63バイト -ソースコードは以下の通りです。 #include "osecpu_ask.h" %define L_POINT LOCAL(0) LOCALLABELS(1); // PLIMM(P01, L_POINT); DAT_SA(L_POINT, T_UINT8, 16 * 2); DB(196, 100, 187, 61, 164, 29, 129, 9, 90, 5); DB( 53, 17, 23, 44, 7, 81, 7, 119, 23, 156); DB( 53, 183, 90, 195, 129, 191, 164, 171, 187, 139); DB(196, 100); DAT_END(); Int32s col:R00, x0:R01, y0:R02, x1:R03, y1:R04, i:R05, j:R06; for (i = 0; i != 15; i++) { REM34(); LMEM0PP(32, R01, T_UINT8, P01); LMEM0PP(32, R02, T_UINT8, P01); // x0, y0. PLIMM(P02, L_POINT); for (j = -8; j != 8; j++) { col = i - j; REM34(); LMEM0PP(32, R03, T_UINT8, P02); LMEM0PP(32, R04, T_UINT8, P02); // x1, y1. if (col <= 0) { col = 1 - col; } if (col <= 7) { api_drawLine(MODE_OR, col, x0, y0, x1, y1); } } } -フロントエンドバイトコードは次のようになります。 prompt>osectols tool:dumpfr in:app0103_.ose 0000: 05e2 0004: ae_3_a0_c464bb3da41d81095a053511172c07510777179c35b75ac381bfa4abbb8bc464 0049: 6_8f_5 for (R05 = 0; R05 != 15; R05++) { 004d: b4 R01 = *P01++; 004f: 88_1_0_1 R02 = *P01++; 0054: 4_3_0_2 P02 = &data[0]; 0058: 4_6_b8_88_6 for (R06 = -8; R06 != 8; R06++) { 005f: 4_95_5_0_0 R00 = R05 - R06; 0065: b4 R03 = *P01++; 0067: 88_1_0_3 R04 = *P01++; 006c: a5_0_0 if (R00 <= 0) { 0070: 97_0_1 R00 = 1 - R00; 0074: 1 } 0075: a5_0_87 if (R00 <= 7) { 008a: 4_5_3_4 api_drawLine(MODE_OR, R00, R01, R02, R03, R04); -aeで始まるデータ記述命令を1命令と数えても、14命令しかありません。 -命令b4はプリフィクスで、次に出てくる命令を2次元ベクトル化します。 (例) b4 88_1_0_1 は次のように展開される 88_1_0_1 R01 = *P01++; 88_1_0_2 R02 = *P01++; --n次元化する命令b5もあります。 --ソースコード上ではREM34();という記述が命令b4の生成を促しています。 ** (4) -(準備中) * こめんと欄 #comment